土木学会土木情報学委員会と日本建設情報総合センター(JACIC)の共済で開催されているアジア建設IT円卓会議の前に開催されている記念講演会で、今回で第8回目(円卓としては最終回、次回からは(アジア)土木情報学国際会議)になるそうです。
今回の公演も、日本、中国、韓国、香港、台湾、シンガポール、オーストラリアの最新建設情報を聴くことができました。

公演詳細
http://www.jacic.or.jp/topics/2012070501/acit_memorial_lecture.html
2012-08-03 17:24:42 写真1

記念講演会資料
http://www.jacic.or.jp/acit/download_j.html

以下は、私が個人的にキーワードをメモした内容です(個人的理解となりますのでご了承ください)。

【日本】
・「土木情報学」、情報利用技術委員会から土木情報学委員会に名称変更。
学問にするための条件は、学問体系・サイエンス・論文集
・日本と欧米では、土木・建築の分け方が異なる
・ICCCBE2016は大阪にて開催予定
【中国】
・2008年北京オリンピック、2010年上海世界博覧会などのイベントと共に大きく発展
・原動力としては、行政指導、行政による研究プロジェクト、大型公共プロジェクト、行政要求、自発的技術発展
・2011-2015建設業情報化発展計画要領
・斜張橋とアーチ橋は世界一のメインスパン
・上海世界博覧会にてBIM技術が活用された
・行政要求に権力があり、2010年までに情報化要求を行い、2012年までにほぼすべての特級ゼネコンが合格
【韓国】
・国がBIMを推奨し、政府が様々な政策を行っている
・土木分野では基準作りも遅れているのが現状
・韓国ではCIM利用による、より良いプレゼン(可視化)ができることは有効となっている
・CIMにもIFC(オブジェクト指向型基準)を活用がキーワード
・実際のCIM活用事例の紹介、重機や人の動き、労働側面についてもシミュレーション
・国としてもBIM(CIM)を進めていくが、公共投資の資金が不足しているため、導入スピードが減速している
・土木工学(CIM)についてもトレンドは理解されているが、どうして良いかわからないと言うのが現状
【香港】
・廃棄物処分場がほぼ満杯、グリーンビルディングが必要
・香港では、ハイテクへの導入には慎重であるが、BIMが増えている
・マテリアルハンドリングモデル
・環境を配慮した建物の解体も含めたライフサイクル評価にBIMを用いる研究が必要(例えば生コンが運ばれるまでに発したCO2など)
【台湾】
・BIMセンターが台湾の中でいくつか設立されている
・複雑な地下埋の中でBIMを活用した事前協議など、BIM活用の事例紹介
【シンガポール】
・シンガポールでは政府が教育訓練などに積極的
・アップダウン(地中を施工しながら地上階も施工)工法による生産性アップの事例紹介
・政府はアメムチを上手に利用している
【オーストラリア】
・二本の柱、BIMとAR
・ナショナルBIMガイドラインが発行されている
・GreenBIMを展開することで、排出量を下げるための大きな解決策になる
・BIMとARを用いて、実際の場所におけるシミュレーションの実施
・同上を用いて、組み立て指示

資料は、JACICのサイトからダウンロードできるようになると思います。
海外では、建築と土木の仕分けが日本と異なるため、建築はBIM、土木は日本のようにCIMと言う分類になっていないことがよくわかり、土木でもBIMの導入が進んでいることがよく理解できました。