建物建築工事で本体施工中に設備工事や、橋梁工事で下部工施工中に上部工工事など、
同一箇所で複数の元請(いわゆる特定元方事業者)が存在する場合は、
統括管理義務者を発注者が指名し、統括管理を行う必要があります。

安衛法第30条第2項(抜粋)
特定事業の仕事の発注者で、特定元方事業者以外のものは、一の場所において行なわれる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合において、当該場所において当該仕事に係る二以上の請負人の労働者が作業を行なうときは、厚生労働省令で定めるところにより、請負人で当該仕事を自ら行なう事業者であるもののうちから、前項(統括管理)に規定する措置を講ずべき者として一人を指名しなければならない。

一般的には、発注者が理解していないことが多いので、統括管理義務者の指名が必要ですと助言することが多いです。また、発注者から適正な指名がなされないと労働基準監督署長がその指名を行うため、注意が必要です。
指名に適当な業者は、安衛則第643条より、
躯体工事等仕事の重要な部分を請け負ったもので、再先次の請負人をその請負人の同意を得て指名しなければならない
とあります。

また、指名された統括管理義務者(元請業者)は、同一場所で作業する別の元請業者による作業についても統括管理が必要です。
統括管理とは、安衛法第30条にあるとおり
一 協議組織の設置及び運営を行うこと。
二 作業間の連絡及び調整を行うこと。
三 作業場所を巡視すること。
四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
五 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
六 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項

言い換えれば、
1.月1回程度工程調整会議(災防協・安衛協・工程会議等)を行う
2.毎日の作業内容を共有して必要箇所はヤード内の調整をする
3.相手の作業内容も巡視する
4.教育の指導や援助を行う
5.作業計画書や作業手順書の確認を行う
6.労働災害防止に必要な事項を行う


特に5が大変かと思いますが、細かい確認は該当の元請業者に任せ、その確認内容を共有することで確認する形で良いかと思いますが、最終的には施工箇所の労働基準監督署長の判断となりますので、詳細は確認することが大事かと思います。


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